【光】と【軍】の国と呼ばれる軍兵皇国「ヴェルミナス」
ヴェルミナスのルミナスは【光】を意味する。
2,000mの標高の山の頂に城がある。
そのヴェルミナス城に住まう【君主】が突如として
姿を消したため不審に思った【君主】の側近である
サファルクブ・ラネティーノが
【ヴェルミナスの特攻】ギヴァジヅズ・ルヴァグーツに
いくら探しても見つからないので無理を頼んで捜索した。
捜索を続けると普段使わない別館の扉が開いていたため
中に入ると大広間にて行方をくらましていた
【君主】がいたのだがどうも様子がおかしい。
側近が君主に理由を聞こうとすると
その時の【君主】の口調は普段と明らかに違っていた。
『それも気付けない君は愚か、ここにいることがどんなに無意味であったか…
私は憎くてたまらないこの場所が憎いこの場所全てが だから私はこの城を壊す。』
言うことがあまりにも滅茶苦茶で周りは冗談かと思っていた。
でも【君主】はその気しか無かった。
しかも自らでは無く【別なる手段】で。
【君主】が言った。
『自身のクローンで破壊する』と。
その言葉と共に突如として現れる存在。
見た目はそっくりでは無かったが黄色みを帯びた
顔色をしており服装が【君主】そっくりの姿をしていた。
【君主】が側近へと指差すとその存在は唐突に襲ってきた。
尋常じゃ無い力で左手そのものを砕かれた。
痛みのあまりに前に倒れた隙にその存在が『今度は片足』と。
その一瞬で片足に大きな負荷がかかる。
このままでは本当にやられると思った時に
まだその場にいなかった【公爵】ディネク=ベルストアが
唐突に来て二刀構えてクローンなる存在に斬りかかる。
頭がぼろっと落ちるがその頭はニヤニヤしながら
相手をあざ笑う。
“頭が離れているはずなのに平然と活動する存在”に
【公爵】が怯んでしまい動けなくなってしまう。
そんな中で珍しくずっと黙っていた【特攻】が
呆れながら口を開き出す。
『実にふざけたヤツらだ、私をずっと無視するとは…
貴様ら馬鹿なことも大概にしろ???私にも一暴れさせろ?!?!』
こんな時に激昂する【特攻】を横目にする側近を
若干睨み付けながら【特攻】の話は続く。
『それに怪我をするのは“私だけでいい”』
唐突に何かが弾けたように見えたが一瞬にしてそれは元に戻る。
『私の【肉体】は激しく老いるが【肉体】自体は“不死身”だ』
突然の発言である。
そんな発言もどうでもいいと感じでいた【君主】だったモノが
【特攻】を無視して側近の方に近寄り手を上げたところに
何かがぶつかってくる。
頭を拾い上げ、その存在は【君主】だったモノにこう言う。
『私は君の味方を殆ど戦意喪失させた。君は自分の味方を全て敵にした。自分で自分の居場所を無くした馬鹿な存在』
唐突に裏切りである。
途端に【君主】だったモノが苛立っているのか
持っている杖を何度か地面に叩きつけ終いには杖を折る。
【君主】だったモノは声を荒げ裏切りの存在を含めて
立ちはだかる。
裏切りの存在が【君主】の姿をしたナニカを
一刀両断するが真っ二つになったはずの身体は即再生する
この存在には【圧倒的な不死性】を持っており
物理的な攻撃では何も意味を成さなかった。
そこで側近は思い出す。
【君主】に託されたとある物の装置を
今のままでは本当に壊れるまでらちがあかない。
”自身の判断は正しい”と、だからそれを押した。
それは《起爆装置》
凄まじい音を立て辺りを瓦礫と化した。
【君主】だった存在は消えた。
成り行きでその場に残ってしまった裏切りの存在は
周りに威圧をかけて自身の居場所を作った。
20年前に謎の大富豪の主が現れた。
ヴェルミナス城は【君主】と代わって【主】が支配する空間になった。
とある存在が帰還するまでは……